研究案内

 放射性薬剤を用いた医学への応用する核医学領域の中で、教室としては次のような研究を推進している。

(1)分子イメージングとその基礎的・臨床的研究

 分子、細胞機能を映像化する分子イメージングには様々な手法があるが、放射性薬剤を用いる核医学的手法は、最も臨床に応用できる可能性を秘めている。ポジトロン断層撮影法(PET)やその他SPECTの手法を駆使して、脳・心臓などの主要臓器や悪性腫瘍などの病巣を映像化するのに適している。これらの方法を活かして、主要臓器に局所機能異常や病巣の活動性、さらにはさまざまな治療による変化を的確に捉えることができる。これには最適な放射性薬剤を開発すること、その体内分布を詳細に解析して、さまざまな機能の定量的指標を求めること、そして測定機器の改良を進めることなど、基礎的研究が必要となる。他方、この方法を活かして、病変の重症度、治療効果判定、さらには治療予測や予後推定に至るまでの患者の治療戦略にとって貴重な情報を得ることを目指す。このような手法は最終的に個別化医療につながる大切な領域である。これを実現するには、理工学、薬学生命科学、基礎医学から臨床医学に至るまでの幅広い領域の専門家との共同作業を進めている。

(2)核医学内用療法の開発と応用

 放射性薬剤が病巣に特異的に集積する特性を生かして、β線やα線を用いて病巣を選択的に攻撃する内用療法が注目されている。古くは甲状腺がんや甲状腺機能亢進症の治療に長年利用されてきた。特に臨床ニーズの高い甲状腺がんの転移巣への内用療法を効率よく多くの症例に実践している。他方、骨転移や悪性リンパ腫などに新しい内用療法の治療を応用して、腫瘍の抑制、症状の緩和を目指した治療を進めている。

(3)マルティモダリティ診断法の実用化

 もともとは核医学の画像診断法を主体に利用しているが、最近CT, MRI,超音波検査法の普及・進歩も目覚ましい。このような非侵襲的画像診断法を駆使して、主要臓器の機能評価や病巣の病態評価を多角的に推進する研究も行っている。そのためには、臨床的観点からの放射線医学分野との共同研究はもちろん、画像の融合技術や新しい画像収集解析法など、技術面での理工系分野との共同研究も推進している。

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北海道大学大学院医学研究院
放射線科学分野 核医学教室
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