核医学について

核医学とは

核医学とは、「医学の核(中心)」や「細胞の核」といった意味ではありません。「放射性同位元素(ラジオアイソトープ)」を利用する医学の意味です。
核医学には検査と治療の両方があります。検査はいろいろな病気の診断に利用されています。治療は現在のところ、甲状腺の病気が中心です。

核医学検査について

核医学検査では、多くは静脈注射によって体の中に入った放射性医薬品から出る放射線によって臓器の働きの画像を描き出します。この画像をシンチグラフィあるいはシンチグラムといいます。コンピュータ処理により断層画像を得ることもできますが、その一つをスペクト(SPECT)と呼んでいます。
また、PET検査「陽電子放射断層撮影法(Positron Emission Tomogoraphy)」は主にガンの診断に用いられます。検査に用いる放射性医薬品の有効期限は非常に短いため、身体が受ける被ばく線量は少なくてすみます。治療には有効期限の少し長い放射性医薬品を用います。
このほかに、血液などの中の微量物質を測定する試料測定も実施されています。

核医学治療について(甲状腺の治療)

放射性ヨウ素内用療法

放射性ヨウ素内用療法では、放射性ヨウ素のひとつであるヨウ素-131というアイソト-プの入ったカプセルを飲んで、甲状腺の病気を治療します。
放射性ヨウ素内用療法は、体内に吸収された放射性ヨウ素の60%以上が甲状腺細胞に取り込まれるという性質を利用した治療法です。
甲状腺に集まった放射性ヨウ素は放射線を発し、甲状腺ホルモンをつくる細胞を徐々に破壊していきます。
バセドウ病では、甲状腺ホルモンをつくる細胞が少なくなり、甲状腺の働きが正常になっていきます。
甲状腺がんでは、がん細胞を破壊し、転移したがんも破壊します。
詳しくは担当医にご相談下さい。

ストロンチウム治療

塩化ストロンチウム(89Sr)は、がんの骨転移による疼痛の緩和を目的とした治療用の放射性医薬品です。
このお薬は、ストロンチウム-89という放射線を出す物質(アイソトープ)を含んでおり、骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすく、骨転移部では、正常の骨より長くとどまり、その放射線によって痛みがやわらぐと考えられています。
このお薬に含まれる放射性のストロンチウム-89は、尿や便といっしょに体外へ出ますので、注射後、特に1週間以内はいくつかの注意が必要です。
詳しくは担当医にご相談下さい。

イットリウム治療

マウス-ヒトキメラ型抗CD20抗体に放射性物質90Y(イットリウム)あるいは111In(インジウム)を結合させた放射性免疫療法薬です。2001年に国内承認された抗体療法薬リツキサン(リツキシマブ)は、正常なB細胞および大半のB細胞性リンパ腫細胞に発現しているCD20抗原を標的として作用を発現する薬剤ですが、ゼヴァリンは標的を発現している腫瘍細胞のみならず、隣接する腫瘍細胞に対しても放射性物質が作用することにより抗腫瘍効果が現れることが期待される薬剤です。
詳しくは担当医にご相談下さい。

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放射線科学分野 核医学教室
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